ロンドン五輪金メダリストの村田諒太(31、帝拳)がWBA世界ミドル級王座決定戦(20日・有明)で判定負けしたことが物凄く話題になっていますね。
正直驚きました。
10ポイント・マスト・システム
ダウン取ってるし、攻めていたじゃん!と思われるかもしれませんが・・
判定まで行っちゃてますしね~。判定になると・・
1ラウンドごとに優勢な方に10点をつける10ポイント・マスト・システム
で点を付けているので、それの合計点での採点となります。
毎ラウンドごとに優勢な方に10、劣勢側に9、ダウンがあれば9⇒8などの点数になります。
3人のジャッジにより今回は
エンダム:116-111
村田諒太:117-110
エンダム:115-112
という結果になり2対1の判定によりアッサン・エンダムの勝利となりました。
ダウン取っても10対8に、そのラウンドだけなるだけなんだ!?
何回もダウン取ってるなら分かりますが、1回だけだとそのポイント差は取り返せます。
かなり強烈なダウンシーンですが、このラウンドの採点は10対8です。

このダウンから立ってきて判定まで行ったエンダムの回復力は凄いですね。
というわけでダウン取ってるから勝ちだろうとは思わない方がイイです。
ちなみにこの試合の採点表はこうなっています。
ちなみに僕の採点では114-113でエンダムですが、微妙なラウンドがけっこうあるので、村田が勝ってもおかしく無かったと思います。
村田はなぜ負けたのか?
でも攻めてるじゃんと思われるでしょうが、攻めてます。前に出ています。
でも、攻めてるけど単発で手数が圧倒的に少ないです。的中率は高かったと思いますが単発です。確実にダメージを与えたと分かるシーンは少なかったです。
パンチの破壊力スピードは想像以上でした。ダウン取った後のラウンド、ガムシャラに攻めたら終わっていたでしょう。
しかし、1~3R、9~11Rはただガード固めて前に出ているだけのシーンが多かったように思います。
ここがジャッジの評価が分かれるところです。
前には出てるけど、パンチは出してないし・・逆にガードの上に軽くても相手のパンチをもらっている・・
これは、難しいところだと思います。見た目は前に出ている村田が有利に見えますが、アウトボクシングして、村田の良いところを殺し主導権を取ってるのはエンダムとも言えます。
本当に評価が割れるラウンドが多い!!
序盤は様子見でも、後半の手数の少なさは痛かったです。過去の試合でスタミナ不足を露呈してるのでスタミナを考えたのかもしれません。9~11Rの手数の少なさが敗因となった様に思います。
対するエンダムも、手数は多いですがクリーン・ヒットが無く全体的に下がり気味です。パンチも村田を一撃で倒せるほどの圧力は感じませんでした。
両者決め手に欠ける印象です。
しかし、手を出さず前に出る村田、下がりながらも手を出し続けるエンダム・・両者クリーンヒットが無ければ、手数の多いエンダムにポイントを付けるジャッジがいてもおかしくはありません。
ダウン後、フラフラだったエンダムも後半は動きが戻り、村田のパンチをブロッキングでは無く外していました。対する村田はブロッキングで受けてました。その部分も印象が悪かったように思います。
村田の敗因は、後半の手数の少なさです。
勝っていると思っていたからか、スタミナが気になったのか?後半の手数の少なさが敗因となったと思います。
村田は世界王者になれる
敗れはした村田ですが、この試合で評価が逆に高まるような気がします。
村田がここまでやると思っていたボクシング関係者は少ないのではないでしょうか?
自分の村田選手のミドルでのイメージは、全てが平均以上だけど飛びぬけた物がない。テクニックも発展途上。パンチが単発・・だから世界のトップには通用しない。
などを思っていました。
しかし、この日の村田選手は凄かったです。スピードがあるパワーパンチ、絶対崩れないブロッキング!
世界王者になったこともあるエンダムよりも明らかに強かったと思います。ただし試合は負けましたけどね。
世界王者になれる存在だという事は証明できたのではないでしょうか?
さらにまだまだ改良余地があります。コンビネーションブロー、手数など。それができればもっと強くなります。
チャンスが3回あれば1回は世界王者になれると思います。
WBA会長も判定がおかしいと再戦を求めていますし
WBC、WBOからタイトルマッチのオファーが届いているとも言われています。
すぐにでも世界挑戦できそうですが、どうでしょう?
今回の対戦ではかなりの赤字になったと言われています、なんでもこの興行に5億ほど金がかかったとか・・タイトル取ってたら良かったんですけどね~。
帝拳プロモーションがどう動くか気になりますね。
山中慎介にも統一戦をいつまでたってもやらさないしなあ・・あまり金は出さんよな・・
できれば、近いうちにもう一度チャンスを与えてほしいです。