
最近ボクシングの体重超過問題(ウエイトオーバー)が著しく注目されてきている。
記憶に新しいのは、山中慎介を引退に追い込んだルイス・ネリの体重超過問題、エマニエル・ロドリゲスとのWBCバンタム級王座挑戦者決定戦がネリの体重超過によって中止となってしまった。
体重超過しても試合をする理由
なんでこんな問題が再々起こるのか?ボクシング関係者では無い人は不思議に思うだろうが、これもひとえにプロスポーツ、興行という問題があります。
実は僕もそんな経験をした1人…、韓国の世界ランカーと日本で対戦した時の事です。
下の階級の選手との対戦で、契約ウエートで僕の階級と相手の階級の中間ウエイトで契約。
僕はそんな未知の領域まで減量しており、骨と皮ばかりのかなり苦しい減量となりました。それでも、世界ランカーと戦えるチャンス‥逃すわけには行かないと死ぬ思いで減量してきました。
前日計量の日が決ました。
僕はリミットギリギリでパス、ホッと肩をなでおろしました。
相手がが測りに乗ると…なんと!?

もう僕はパニックです。ナニコレ?試合はどうなるの?
会長が相手陣営を話をすると‥なんでも、「飛行機の中でマネージャーが、もう計量は終わったから食べても良い」と言ったから‥という訳の分からない話‥。
いやいやいや、ルール知ってるんですか?そんなわけが無いでしょう?
会長にどうするのか?聞いたら…
「もう、やるしかない!」
との事‥、もうね、ふざけんな!って感じでしたよ。僕の方が明らかに身体もデカイ‥。死ぬ思いで減量して来たのに、この努力はなんなんだったんだって‥。
一応再計量までは努力してくれましたが、ほとんど体重は変わらなかったですね。
でもね、試合はやるしかないのです。それを相手も分かっているのです。
何故なら‥
興行という問題があるから…。
メインイベントである、僕の試合が中止となったら、興行自体がなりたちません。
例えば井上尚弥の試合を観る為にクソ高いチケット買ったのに‥試合が中止となったら‥。
金返せー!ってなりますよね?
もし払い戻しとなったら、試合の興行にかかっていた色々な費用を莫大な赤字で賄う必要があります。
そんな事ができるわけがない‥。
ボクシング界では、興行という問題があるから、色々な関係者が無理やり試合を継続させようとするのです。
それと共に、選手側も、ファイトマネーや自分のキャリア、努力を考えて試合をするしかないっと思ってしまうのです。
ボクシングって年に3試合くらいなんですよ。その1試合が流れてしまったら‥。
自分のボクシング人生に大きなブレーキをかけてしまう事になるのです。
4回戦などでも計量オーバーはあります。そして中止にはなりません。
これは興行というより、選手やジムの会長の意向が多いと思います。
ただし、僕の経験ではジャッジがウエイトオーバーして無い方を有利にします。
計量で、オーバーした選手に「早めに止めるからな!」と怒っているのを見たことがありますね。
勝つための体重超過と罰則の甘さ
日本ではこんな感じですが、海外ではまた別の一面もあります。
ボクシングは主要4団体でも、WBC、WBA、IBF、WBOと4つあり、チャンピオンになるのを目標というより、名を上がて人気選手になった方が稼げるという事があります。
だからこそですね、戦略的に計量オーバーして勝つ!という事があるのです。
タイトルを取れなくても、勝って名をあげた方が良いんです。
昔で言えば、ホセ・ルイス・カスティージョvsディエゴ・コラレスの試合とかも、カスティージョが勝つためにオーバーしてきたみたいな感じがありましたね。

話題のルイス・ネリとかは、戦略的に体重オーバーしているというより、本人の問題な気もしますが、山中慎介との第2戦は戦略的にオーバーしている感じもありました。

井上尚弥なんかも、これからそういう目に合うかも知れない‥。
体重超過(ウエイトオーバー)して勝っても、あの井上尚弥に勝った男として注目されるわけですから‥。
そして、問題となる一番は罰則の甘さです。
体重超過しても、罰金で済むことがほとんど…。
罰金払って有利な条件で強い相手と戦えるなら、罰金払った方が良いですよね。
勝ったら、またファイトマネーも上がるし、名も上がるし‥。
やはり、体重超過には厳罰な処分が必要だと思われます。

プロボクシングは、興行という問題があり、試合中止は難しいです。
厳しい罰則を作り、体重超過する選手がいなくなるようにするべき!

上記の様な理由で、ボクシングの体重超過(ウエイトオーバー)は起こっているのだと思います。このような事態は考えるべき、厳しい罰則により、体重超過が無くなることを期待したい。